5~6月の梅雨前ごろの河原。
枯れきってしまった背の高い草があればそれはチャンスです。もしかするとカラシナかもしれません
名前自体はスーパーの葉物コーナーで見たことある人も多いはず。アブラナ科の仲間で黄色い花を咲かせるので、菜の花で知られるセイヨウアブラナとよく間違えられるらしい。
ただ味には割と違いがあり、菜の花はほろ苦さが特徴で天ぷらやお浸しになりますが、カラシナの葉は名前の通りぴりっとした辛さが特徴。炒め物や漬物になることが多いそう。
でも6月にあるのは、そんな葉っぱも枯れて茶色くなってしまったカラシナ。
今回はこの状態のカラシナに用があります。
そう、カラシナの種=マスタードシードで粒マスタードをつくってみよう!という話です
目次
粒マスタードの作り方
そもそも粒マスタードって結構簡単にできるんですね。スパイスとしても使われるマスタードシード、塩、酢を用意すれば3ステップくらいでできます。
- 塩とシードを合わせて酢を吸水
- シードをつぶす
- 放置して味をなじませる
でできる、かなり難易度の低い自炊です(´∀`)
このマスタードシードをスパイス屋さんとかで手に入れればもう作ったも同然ですね。それがなんと鴨川には大量に繁殖していると聞き
やってきました
友達と初のマスタード作りに挑戦です。
カラシナの種を採取する
といってもやることは種を取るのみ。
持ち物は
- 軍手
- ざるとボウル
- ハサミ(あると楽)
- ビニール袋(おっきめがいい)
- 傘(あると楽)
ちなみにマスタードをつくるのならカラシナの種である必要があります。菜の花だとあの辛みが出てきません。
アブラナかカラシナかは葉っぱのつき方が分かりやすいそう。葉っぱが茎を抱いてるとアブラナ、枝のようについてるとカラシナですね
種を食べて判別してもいいですが、正直あんまり味しませんでした。後になって酢につけると強烈にマスタード感が増しますが、この段階ではただの種です
めちゃめちゃはじけやすいので集めるのは簡単。晴れが続いてる日にやるのがいいですね。湿っていると種もはじけないのでやりにくかったです。
ビニール袋に茎ごと放り込んでガサガサやってればとれます。ハサミがあるなら根元で茎を切れば楽ですね。背が高い相手には下に傘を構えてガサガサするのがかなり効率がいいと分かりました。傘は便利ですね。
しかし!!
採りすぎは禁物です。倫理的な観点じゃなく、後の処理の観点から。一番の難関はゴミの除去なんで、採れば採るほどあとで泣きたくなります
でも、
採るのはめっちゃ楽しいです。ばかすか採れます。
ってことで採りすぎちゃいました。
さて、ここからサヤなどのゴミをふるっていく段階にはいります。
大まかなふるいはそのまま外でやるのがおすすめ。ザルをもってけば大きめのゴミはそのままポイできますし、袋にいれてふっとけば種は下にたまってくるんで上のゴミを取り除くこともできます
でもまだ種より小さいゴミや小さめの虫たちも残ってます。
虫に逃げてもらうには日光に当てておくのがいいらしいですが、梅雨に入ってしまいなかなかその処理はできず。
色々考えた結果、水に浮かせてみることにしました。
汚れも落とせるし軽くて小さなゴミは表面に浮いてくるし、わりと成功です。
ただこのあと水を切って乾燥させる場所が必要になるのは厄介ですね。。
扇風機でとうみを自作してる人もいますが、これも楽しそうですね~
自然農ガットポンポコ – 手揉みで脱穀&扇風機ダンボール唐箕で風選 (kobapan.com)
で、乾燥させてる間に残ってるサヤとかゴミをある程度取っていきます。ある程度です。ここで完璧を目指すのはダメです。沼です。どうせ後ですり潰すし味も付くんで多少のゴミは気になりません。菌も酢に漬けとけば死ぬでしょう、知らんけど
この作業がまあまあ精神的にくるので、採りすぎにはほんとに注意ですね( ^ω^ )
でもここまでくればこっちのもんです。
粒マスタードをしこむ
分量はわりとざっくり。お酢に関しては吸水すれば途中で継ぎ足せばいいんで適当でいいです。
最低4日くらいは吸水させた方がいいらしい。気付けば1週間経ってました。
十分に吸水して1.5倍くらいに膨らんでるのでいよいよ潰していきます
種を採ってるときは「ほんとに辛くなるんか?」って思ってましたが蓋を開けて安心しました。しっかり辛いです。目にきます。痛い。
潰すのはすりこぎとかを使うとなんか本格的ですが、量も量なのでふーぷろにお任せします。
まずワンクッションとして、浸水させてた種をざるに切ります。このとき下にボウルとかを置いて酢は残しときましょう。あとで使います。
そのまま投入すると水分が多すぎて潰し切れません。
ふーぷろで好みまで潰していきます。ちなみに思ったより潰れません。僕のが小型だからかもしれません。まあ気長に潰します
途中で重くなってきたと思ったら、取っておいた酢で調節しつつこれも好みの硬さに持っていきましょう。ちなみにこの作業中はずっと目が痛いです。
潰したらあとはビンに入れて寝かせるだけ!
味がなじむまで常温放置するといいらしい。ちなみにマスタードが発酵食品と呼ばれてるのは何でなんでしょう?酢でつけてるから?
市販の酢はだいたい加熱殺菌されてて酢酸菌は死んでるし、この放置期間中に菌が働いてるイメージもあんま湧かないですが…
まあ細かいことは置いといて、放置していい感じになれば粒マスタードの完成です!!( ^ω^ )
鴨川産粒マスタードの味
さてその気になる味は??
あーもうしっかりマスタード!!
驚くほどにマスタードでした笑。市販よりも粒感があるんで正直これのほうが好き。けっこう率直な意見を言ってくる友達も太鼓判だったんで間違いないですね。これはまじでうまくできました(´∀`)
漬けるお酢によって味も変わってくるんで小瓶でいろいろ試すのもおもしろそう。友達はワインビネガーやリンゴ酢を使ってましたし、普通のお酢にはちみつで甘さを足しても良さそう。僕は黒酢が好きでした(*゚∀゚*)!
おそらく潰し方によって食感がかなり変わってくるので、好みで調節したらいいですね。ほぼ粒がないような”マスタード”に近づけるならそそれこそ製粉機とかで細かく引く必要がありますし、殻も取り除くのがいいのかも。
ただ自作でしか味わえないのはどっちかというとこのつぶつぶ感だと思う。のでふーぷろかすりこぎで作る”つぶつぶマスタード”を僕はおすすめします。
この食感があるおかげで、例えばソーセージならプリっとした食感と合わさってさらに美味くなる気もする!
ということで、
鴨川のカラシナで粒マスタードつくってみようぜ
は大成功となりました!!
近くにカラシナが咲いてる人はぜひぜひ作りましょう。あほみたいに大量に種をとらなかったらもっと簡単に作れます( ^ω^ )
おそらく腐ることはないと思いますが、作ったらいちおう冷蔵で保存しときましょう。作り立てを常に食べたいなら、タネのまま保管しといて都度作っていくのがいいかもですね
マスタードが実は簡単なステップで作れることも知れたし、しかも美味しいし、人にもあげやすいのでチャレンジしてみてください~
いじょうそらまめでした