”浸透圧とは”を京大生がわかりやすく解説します!

さて今回は、誰もが1度は引っかかる浸透圧について”理解する”ことを目標にした記事を書いていきたいと思います!

公式を覚えてなんとなーく解いてる人も多いと思いますが、この浸透圧は一次試験だけでなく二次試験でも頻出の人気分野。とくに二次試験になると難易度が高くなる分、うわべの知識でいくと撃沈します。さらにいうと理解している人は普通に解けるので差がつく問題になってしまいます。

そしてこの浸透圧には公式を当てはめれば解けるものもあれば、実験結果から浸透圧を導くものもありますよね。とくに後者は混乱しがちです。そう、問題文になぜか水銀の情報がのっているアレです(´A`)

そこで今回はこの実験タイプの問題について、浸透圧はそもそもどういう意味なのかから分かりやすく説明していき、どんな考えで求めていくのかを伝えていきたいと思います!ぜひ参考にしてみてください!

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浸透圧とは?

そもそも浸透圧とはどんな圧力を指してるのでしょうか。それを理解するためには、“半透膜”を知っておく必要があります。

まあそんな難しいものではありません。覚える性質は1つだけ。それは「小さい溶媒分子は通すけど大きい溶質粒子は通さない」ということ。

ちょっと用語が面倒臭いですが、溶媒とは物質を溶かしてる物質で、溶質は溶けている物質のことですね!溶質粒子の方が大きいので、それを通さないくらいの網の目がはっていると考えてください。半透膜は生物の細胞膜などに使われているものですが、浸透圧を説明するときもよく使います。大事なのは「溶媒は通して溶質は通さない」という性質です!

では、いよいよ浸透圧の説明に入っていきます〜

よく見るのがこの図ですよね!この真ん中で仕切るのに使われているのが半透膜です。

ここではAのほうに濃度が薄い溶液、Bのほうに濃度が高い溶液が入ってるとしましょう。左右に濃度が違う液体を入れてるので、普通なら均一の濃度になるよう混ざり合おうとしますよね。

しかし!この仕切り膜は半透膜です。つまり、溶質(溶けている物質)は移動することができません。となると、濃度を等しくするには溶媒が頑張って働く必要があります。濃度を薄めるような形で溶媒がどんどん移動していくわけです。この現象を浸透といいます。

そして浸透圧というのは、もしこの高さの差をなくそうとするとどれだけ力が必要か、つまりこの浸透を阻止するために溶液側に加えないといけない圧力のことを指します。

でも、そもそも溶媒は濃度が等しくなるまでずっと流れ込むんじゃないの?と思うかもしれませんが、そうはなりません。ある程度溶媒が流れ込み、液面に差ができると浸透がとまります。このときの液面差をhとしましょう。

なぜ浸透が止まるのか、それはこの液面差による圧力が流れこもうとする溶媒を抑えるからです。つまりこの高さhの液柱のおもりによって浸透をおさえてるってことです!もう分かったと思いますが、この液柱のおもりに相当する圧力こそが浸透圧になるということですね!

ちなみに厳密にいうと、”浸透がとまる”とはA→Bに半透膜を通り抜ける溶媒分子の数とB→Aに通り抜ける溶媒分子の個数が等しくなっている状態のこと。B側にも溶媒分子は存在するのでじみ~にBからAにも浸透します。そこでB側に上から圧力をかけることで、より多くの溶媒分子に半透膜を通り抜けさせてるわけです。

そしてAから通り抜ける溶媒分子との個数と一致したとき、”浸透が止まっている”ようにみえる平衡状態になります。

さて、話を戻すとどうやら浸透圧を求めるにはこの液面差が大事になってきそうですね…では実際に浸透圧を計算しようとするとどうなるんでしょうか?

浸透圧の計算

さて、上述したように浸透圧を求めるにはB側に圧力をかけている高さhの液柱を考えればよいということが分かりました。

でもこの液柱による圧力なんてどうやって求めるのよ(´・ω・`)

はい、そこで使えるのが水銀!!

なぜかこういった問題には多くの場合、”1.01×10⁵Paに相当する水銀柱の高さを760mm、水銀の密度を13.6g/cm³とする”とか書いてます。初見だと「水銀とかどこに使うんや?なんやこれは??」って高確率でテンパりますよね。

しかし、この情報により高さhの液柱による圧力が求められるという、実はめっちゃ有能なヒントなんですね~

ここからの考えは水銀をどう使うのかの説明になるので、できれば覚えるレベルで身に着けてほしいです!

圧力ってのは簡単に言えば「単位面積当たりにかかる力」です。机を押すなら、押してる力を面積で割れば圧力がでてきます。水銀柱の場合も同じです。あの情報は、高さ760㎜の水銀がもつ下向きの圧力が1.01×10⁵Paなんだよ!ってことを伝えてます。

え、でもその水銀柱の低面積が分からんと圧力なんて求められへんやん?

って僕は最初思いましたが、そんなことはありません( ^ω^ )。試しに底面積がA[cm²]、高さ760㎜の水銀柱を考えてみましょう。

このとき、水銀柱の体積はA×76[cm³]になりますね。760mmを76cmに直しているのに注意してください。すると先ほどの密度をかけてやると、水銀柱の重さがでてきます。A×76×13.6[g]です。

となると、底面積の単位面積当たりにかかる重さはこれをAで割ればいいので、結局

76×13.6[g/cm²]

となります!

つまり、高さ760mmの水銀柱は、1cm²あたり76×13.6[g]の重さを与えるおもりと同じってことで、この重りによる圧力が1.01×10⁵Paに相当するということをあの情報は伝えているわけです!

さて、ここから1つ重要なことが分かりました。

それは「液柱の高さと密度が分かれば圧力が求められる」ということ。

水銀の情報により

”76×13.6[g/cm²]は1.01×10⁵Paである”

ことが使えるので、求めたい液柱の高さh[cm]と密度ρ[g/cm³]をかけたものであるhρ[g/cm²]をこの条件と照らし合わせると、

液柱の圧力[Pa]=1.01×10⁵×hρ/(76×13.6)

となります!

イメージでいうと、液柱の重さが水銀柱の重さの何倍になるかを求めて、同じ分1.01×10⁵Paにかけてやればいいということです。比で書くと、

水銀柱:液柱

=76×13.6:h×ρ=1.01×10⁵:液柱による圧力

です。液柱の密度は問題文に書かれてることがほとんどなので、その値を使いましょう!

ではいったんまとめてみます(`・ω´・)ノ”

実験から浸透圧をもとめろだと…といっても、式にするとめちゃめちゃ簡単。

問題文に書かれているであろう水銀の情報1.01×10⁵Paに相当する水銀柱の高さを760mm、水銀の密度を13.6g/cm³とするをつかえば、液面の差をh[cm]、溶液の密度をρ[g/cm²]とすると浸透圧は

1.01×10⁵×hρ/(76×13.6)

で求めることができます!

この式を覚える必要はありませんが、単位に気をつけておくとすぐ導出できます。水銀の高さと密度をかけて求めれる76×13.6[g/cm²]、つまり1cm²あたり76×13.6gの重さがかかってる状態が1.01×10⁵Paくらいなんだな~と単位ごと考えると、圧力に相当するというがイメージしやすいはず。

あとは液柱の1cm²あたりの重さを求めて比較すれば、圧力を出すことができます。

実験から浸透圧を求める方法を理解するには、

・浸透圧がどんな圧力なのか

・その圧力をどうやって求めるか

を知っておく必要があるので、その2点を今回は解説してみました(´∀`)

この2つの知識は浸透圧の問題を解くときに知っておくと必ず役に立ちます。問題集などで演習を繰り返して、慣れながら理解していきましょう!

浸透圧の例題

1.下のような半透膜で仕切られたU字管の左にデンプン水溶液、右に純水を同量いれた。十分な時間が経過すると、液面の差は6.8㎝になった。デンプン水溶液の浸透圧を有効数字2桁で求めよ。ただしデンプン水溶液の密度は1g/cm³、1.0×10⁵Paに相当する水銀柱の高さを760mm、水銀の密度を13.6g/cm³とする。

2.下のような容器を用意し、容器内にはスクロース水溶液を外側の水面と同じ高さになるまで入れた。容器は半透膜で囲まれており、時間がたつとガラス管の液面が上昇してh[cm]にまで到達した。このスクロース水溶液の密度を1.02g/cm³とすると、スクロース水溶液の浸透圧はいくらになるか。ただし上の設問での水銀柱の条件はそのまま使ってよい。

解答

1.考え方は説明したとおりです。そのまま式に当てはめて、

1.0×10⁵×6.8×1.0÷(76×13.6)を計算します。すると答えは6.6×10²Paになります。

2.すこし変わってますが、考え方はU字管の時と一緒。周りの水がどんどん入ってきて、その浸透は高さhのスクロース水溶液の液柱の重さによって止まるので、

1.0×10⁵×h×1.02÷(76×13.6)

を計算すればOKです!U字管とは違いますが、この方法もよく出てきます。浸透圧の考え方さえ分かっていれば問題なく解けるはずです!

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