今回は頻出であり苦手な人も多い“条件付き確率”についてみていきたいと思います!
そもそも確率という分野自体が頻出でかつ難しいものですが、さらに難易度があがると必ずと言っていいほど条件付き確率がでてきます。共通テストでも出題されますね~
で、この条件付き確率はわかりにくい式で表されるのもあり、なかなか理解することが難しい。結果、苦手意識をもってしまう人が多くなります。分子と分母に何が来るのかが分からん!ってなります
AかつBと何が違うんや!とか…
でも、条件付き確率の本質さえ理解すればまったく難しくありません。それまでの確率の計算が間違ってるとだめですが笑、条件つき確率だからこの問題は飛ばそう…なんて思わずにすみます。
むしろ他の人との差を広げるチャンスです!
ということで例題も入れながら条件付き確率について解説していきます~
条件付き確率とは
教科書的にかくと、下の式です
「事象Aが起こったときに事象Bが起こる確率PA(B)は
PA(B)=P(A∩B)/P(A)
である!」
でたでた…って感じですね。なんか言ってるけど何言ってるかわかんねーみたいな。
これをもっと単純に書けば、
「Aが起こってる中で、Bも起こってる確率は??」
ってことです。
まだ「?」って人が多いと思います。AかつBの確率と何が違うのか…
では図で考えてみましょう!
そもそも確率ってのは、全体のなかでのその事象の割合を考えるもの。
サイコロを1回振って1がでる確率ってのは、1~6という全部で6通りの目の出方のなかで、1がでるのは1通り、だから1/6です。
つまり、全部でn(U)通りの場合がある中で、事象Aが起こるのはn(A)通りなら
P(A)=n(A)/n(U)
と書けます。
これがそもそもの確率でした。
ではサイコロを2回投げるときを考えましょう。で、「1回目に1がでる」のを事象A、「2回目に1がでる」のを事象Bとします。
そうするとP(A∩B)ってのはいくらですか?
簡単ですね、1/36です。さっきと同じように考えてみると、2回ふったら目の出方は36通り考えれます。そこで1と1がでるのは1通りなので1/36。
図でみるとP(A∩B)は青斜線である全体の集合Uのなかで、重なってる赤い部分の割合を考えてることになります
ではPA(B) はどうか。
さきに図で見るとこうなります。
そう、P(A∩B)と違うのは青斜線の範囲です。全体の集合の中での重なり部分、ではなく集合Aのなかでの重なり部分を考える。これが「Aが起こるときにBが起こる条件付き確率」です。
つまり、確率の母体の範囲が違います。そのため確率も変わってきます。
ではこれをどうやって計算するか。さっきと同じように個数で考えれば、重なってる部分の個数n(A∩B)を青斜線の範囲の個数n(A)で割ればいいので
n(A∩B)/n(A)
ですよね。
じゃあこれの分子と分母を全体の集合の個数n(U)で割ってみましょう!
すると、
{n(A∩B)/n(U)} / {n(A)/n(U)}
となります。あれ、じゃあP(A∩B)とP(A)を使えばいいじゃんってことで
PA(B)=P(A∩B)/P(A)
がでてくるわけですね~
つまり条件付き確率と普通の確率の違いは
「どの範囲をもとにして考えているか」
です。
問題を解くときも、ここを1番に考えてください。そうすれば自然とあの式のかたちになります。
さっきのサイコロで考えると、「1回目に1がでたとき、2回目も1の確率」がPA(B)です。「1回目と2回目に1がでる確率」であるP(A∩B)とは言い方が違いますよね。
「1回目に1がでたとき」を考えているので、もととなる範囲はAの部分。この「~のとき」ってのが注意しないといけないポイントになります。
で、答えは
(1/36) ÷ (1/6)
により1/6となります。
正直この例題はあまり条件付き確率で考える意味がないんですが…(-∀-)
でも確率としてわかりやすいのでサイコロでやってみました
条件付き確率のポイント
続いて、問題を解く上でどんな点に注意していくべきかを考えます。
まず重要になってくるのが、上でも言ったように「範囲」です。
そもそも条件付き確率なのかどうか、また条件付き確率ならば何がもとの範囲になるのか。これを問題からしっかり読み取れるかが最大のポイントです。
そしてもう1つ。
事象の決め方も実は大事です。何を事象Aとして何を事象Bとするのか、ここを間違えると当然答えも間違います。解答の最初のステップでもあり、一番重要なステップでもありますね。
例題として下の問題を考えてみましょう
「袋Aには赤玉2個、白玉3個が入っていて、袋Bには赤玉1個、白玉4個が入っている。」
「袋Aから玉を取り出したとき、その玉が赤玉である確率は?」
「袋を1つ選び、玉を取り出したら赤玉だった。その玉が袋Aから取り出された確率は?」
さて、この2つの条件付き確率を丁寧に考えてみます。
この場合、何を事象にしますか?
そうですね、事象A:「袋Aを選ぶ」、事象R:「赤玉を取り出す」という決め方になるはずです。袋を選ぶというのも事象になるので注意です。
それぞれの確率をP(A)、P(R)とすれば、
P(A)=1/2
P(R)は「袋Aから赤玉を取り出す」ときと「袋Bから赤玉を取り出す」ときを考えて
P(R)=(1/2×2/5) + (1/2×1/5)
=3/10
となります
では1つ目にいってみます。この場合は範囲となるのは「袋Aから取り出したとき」という問題文から分かるように事象Aのほうですね。つまりPA(R)を考えます。
PA(R)=P(A∩R)/P(A)
でした。ここでA∩Rってのは、「袋Aを選んでかつ赤玉を取り出す」ということですね。事象をしっかり押さえておけば混乱しません。
さっき計算したように、P(A∩R)=1/2×2/5 でした!
ってことで、
PA(R)=(1/2×2/5) ÷ 1/2
=2/5
になります!
これは感覚的にも分かると思います。袋Aには全部で玉が5個入ってて、そのうち赤玉は2個ですからね~。別に計算しなくてもできるかもですが、丁寧にやってみると上のようになります(´∀`)
では続いて2つ目のほう。こちらは「赤玉を取り出したとき」に「袋Aを選んでた」確率。そのためもとの範囲は事象Rのほうになります。そして条件付確率PR(A)は
PR(A)=P(R∩A)/P(R)
=(1/2×2/5) ÷ 3/10
=2/3
となります(`・ω´・)ノ”
事象をちゃんと決めないと式の途中で混乱してしまうのと、例題からもわかるようにもとの範囲がどの事象なのかしっかり確認しながら計算していくことが大事です。
あと確率なので、1を超えることはないです( ´ ▽ ` )ノ
最低限そこだけは見直すようにしましょう笑
条件付き確率のまとめ
今回は苦手な人も多い条件付き確率について解説していきました!
読んでもらったら分かったと思うんですが、普通の確率を比べても難易度が上がるわけじゃないです。ようは確率を考えるうえでもととなる範囲が変わるだけ。その点だけ理解しとけば条件付確率を恐れることはないです。
それよりもそれぞれの確率の計算とか、何を事象にするかのほうが大事だし難しいです。試験の難易度が上がるほど複雑になってきますし、他の分野と組み合わさってくることもあります。
条件付き確率に限らず、確率は”慣れる”ことがけっこう重要です。
問題数を重ねていけば事象の考え方もスムーズにできるようになってきます。センター試験でも必ず出題されているのでその過去問を使うのも基礎固めにはもってこいですし、参考書や問題集を使うのももちろんいいと思います。ちなみにおすすめする参考書はこちらにまとめてます→『おすすめの数学参考書。京大合格に実際に使っていたものを紹介!』
条件付き確率の考え方ってのは実用的なものでもあるのでしっかりマスターしてください(`・ω´・)ノ”
いじょう、そらめまめでした~