今回みていくのは、共通テスト(旧センター試験)や2次試験でも頻出の数列のなかでちょっと変わったやつである“群数列”です!
すぐ解けそうで解けなかったりするこの数列ですが、実は解き方は1パターンです。その手順さえ覚えれば、どんな群数列がきてもまったく怖くありません。むしろウェルカムです。
ということでその解き方の基本の3ステップを紹介します。群数列をみたらとりあえずこれをやっときましょう(-∀-)
群数列の解き方
群数列ってのはある規則に従って数列をいくつかの組(群)にわけて考える数列になります。例として以下の群数列を解いていきましょう!
1|3,5|7,9,11|13,15,17,19|21,…
規則性に注目する
まずはやはり規則性をみつけないと何も出来ません。最初に知りたいのは、もとの数列の規則性と群数列への分け方の規則性の2つです。
上の場合だと、もとの数列は奇数の数列ですね。初項が1,公差が2の等差数列です。
では群数列になるとどうでしょう。
1|3,5|7,9,11|13,15,17,19|21,…
この場合の分け方は簡単で、第k群の項数がk個になるように分けてますね!このパターンが群数列では1番多いと思いますが、難易度が上がってくるとまた変わってくるので要注意です。
第k-1群までは何項あるか
続いて考えたいのは群数列の初項。ここでも手順に従えばさくっと解けます。
第k群の初項が知りたいので、その1つ前の第k-1群までに数字が何個並んでるのかを考えます。
先ほど確認したように、第1群には1つ、第2群には2つ、第3群には3つ、数字が収納されてます。
そうすると、第1群から第k-1群までに収納されてる数字は
1+2+3+…+(k-1)
で表せますね!
これは等差数列の和の公式で解けて、k(k-1)/2になります。
とすると、第kの初項はもとの数列から考えると
k(k-1)/2+1
番目の数字だとわかります!
第k群の初項、総和をもとめる
もう上のところまでくると、初項はすぐに出せますね。
今回の例だともとの数列は初項1、公差2の等差数列だったので、第n項の数字は2n-1と表せます。
第k群の初項は{k(k-1)/2+1}項だから、そのまま代入して計算すると
k²-k+1
ということで初項はOK。
続いて考えるのが第k群に含まれる数字の総和。問題によっては求める必要がないこともありますが、パターンとして組みこんどいたらいいかなって思ってます。
今回の場合だと、第k群の初項は分かってて、公差は2,項数はk。
ということでこれも等差数列の和の公式をあてはめてやればOKです。ちなみにk³になるので確かめてみてください!
○○は第何群の何番目か?
ここまでしっかりと手順を踏めばもう問題ありません。よくあるこの問いも解き方は決まってます。
今回では「301は第何群の何番目か」を考えてみましょう。
まず何群にあるのかを知りたいですね。ってことで第k群にあると考えてみると、
k²-k+1 ≦ 301 < (k+1)²-(k+1)+1
この不等式が成り立つってわかりますか?
左の数字は第k群の初項、そして右の数字は第k+1群の初項です。
つまり、この範囲のどこかに301があれば、301は第k群に収納されてるってことになります。
今回は徐々に増えていく数列だったのでこういう不等式になってますが、もちろん数列の設定によって変わってきます。その点は注意ですね。
この不等式を整理すると
k(k-1) ≦ 300 < (k+1)k
となり、これを満たす自然数は17なので301は第17群にいることがわかります。あとは何番目が分かればいいわけですが、第17群の初項と公差が2であることを利用すれば解けそうです!
(17²-17+1)+(m-1)×2=301
を解けばm=15。
ってことで第17群の15番目です( ´ ▽ ` )ノ
○○番目の数は第何群の何番目か?
もう1つよくある問題のパターン。これも考えは同じで、例えば○○番目が第k群にあるとすると、
k(k-1)/2 < ○○ ≦ (k+1)k/2
という不等式を考えることになります。左は第k-1群までの項数、右は第k群までの項数ですね。挟む数字が項数なので、それに合わせて項数ではさめばOKです。
あとは上と同じように解いていけば答えがでます( ´ ▽ ` )ノ
例題
以下の数列について、問いに答えよ!
1,1,3,1,3,5,1,3,5,7,1,3,5,7,9、…
(1)m回目に現れる7は第何項か。
(2)初項から第n項までの和をSnとするとき、Sn>1300となる最小のnをもとめよ。
まずは群数列にわけてみると、
1|1,3|1,3,5|1,3,5,7|1,3,5,7,9|…
こうなります。
先ほどの手順に従って考えていきましょう!もとの数列にはバシッときまる規則性がありませんが、群数列のほうはどうやら
第k群が初項1、公差2、項数kの等差数列
になっているようです。
ってことは第k-1群までは上と同じでk(k-1)/2個、数字が並んでます。今回の場合だと第k群の初項はいつでも1ですし、第k群の総和も等差数列の和の公式からk²と導けます。
では問題の方にとりかかっていきましょう!
ちょっとややこしいのが”m回目”って部分ですよね。この問題では同じ数字が何度も出てくるのが特徴なのは分かると思います。
ですが慌てなくても大丈夫。”分かりにくいときは具体的な数字を当てはめる”というのが数学の基本です。
例えばm=1のとき、つまり1回目の7は第4群の4番目ですね。
m=2のときは第5群の4番目です。
m=3のときは第6群の4番目。
・
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そうですね、m回目の7はどうやら第m+3群の4番目に現れそうです!
第m+3群の初項は、もとの数列でいうと(m+3)(m+3-1)/2+1項。そして4番目なので+3をして(+4じゃないですよ!)
(m+3)(m+2)/2+4
が答えです(`・ω´・)ノ”
mに1や2を当てはめて確かめれば安心。
続いては和の問題です。
とりあえず第k群の総和はk²だったので、第1群から第k群まで全部足したものは∑計算から
k(k+1)(2k+1)/6
となります。
すると、求めたい第n項が第k群にあるなら
(k-1)k(2k-1)/6 < 1300 ≦ k(k+1)(2k+1)/6
という不等式が成り立ちます。今回の場合は”和”ではさむことになりますね。
ちょっとめんどくさいですが、当てはまるkを探すとk=16がでてきます!
ここまでを整理すると、第15群までの総和が1240、そして第16群は初項1、公差2、項数16の等差数列。
ということでこの数列の和が60を超えるときを探しましょう。
そうですね、8項目のときに和が64ですので、第n項は第16群の8番目です!ついに見つけましたね~(´∀`)
問題では第何項かを答えろとのことなので、第16群の初項が何項目かを求めてやって、そこから8番目…答えは
第128項( `Д´)/
意外とめんどくさかった…
こんな風に、よく見る形とは少し違う群数列でも解き方は一緒。焦らずに対処すれば絶対に解けます!
あと分数の群数列も多いですが、その場合は分母と分子をわけて規則性を考えるのがポイント。分数のまま考えると解けないことがあるので要注意ですd(・`ω´・d*)
まとめ
今回は”群数列”という分野について、その解き方や例題を解説していきました( ´ ▽ ` )ノ
ほんとうに手順さえ覚えればさくっと解ける分野なので、出てきたらラッキーと思えるくらい稼ぎどころにしときましょう!
- 規則性を求める
- ”第k‐1群までは何項あるか”を考える
- 第k群の初項、総和をもとめる
この3ステップはパターンとしてできるようになっておけば、大体の問題には対応できます。あとは焦らずに、どういう条件や不等式が成り立つのかを確認しながら解いていきましょう。
分数の数列のように意外と群数列に分けるのが難しかったりもしますし、群数列の問題として考えるのがカギとなるときもあります。問題に対して色んな見方ができるようにも意識してくださいd(゚∀゚*)
いじょう、そらめまめでした~