映画『ダンサーインザダーク』ネタバレあり感想。ただの鬱映画じゃない!

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今回紹介する映画は『ダンサーインザダーク』、ミュージカルでありつつ鬱映画として出てくることも多いというちょっと珍しい作品です。

主演であるビョークはアイスランドの人気歌手であり、今回の映画でも音楽を担当。カンヌの最高賞パルムドールとともに、主演女優賞も受賞しました。

徐々に視力が失われていくという先天性の病気をもつ母親。遺伝すると知ってながら子を産んだ以上、その子だけでもこの病気に悩まされないようにと失われる視力に苦労しつつ治療費をためていきます。でも物事はどんどんと悪い方向へ…

あらすじはあとでネタバレもふくめて紹介しますが、ネタバレを知った後でも観てほしい作品でもあります。

辛い環境の中、空想の世界で繰り広げられる明るいミュージカル。

そして母親がもつ、息子への大きな愛情。ストーリーとしては鬱映画の側面もありますが同時に感動作でもあるという、今まで観たことない感覚の映画でした。

実はマツコ・デラックスさんや齋藤飛鳥さんなども好きな映画に挙げている『ダンサーインザダーク』、どんな映画なのか詳しく見ていきましょう!

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『ダンサーインザダーク』あらすじ

チェコからアメリカにやってきた移民であるセルマは貧しいながらも息子のジーン、そして勤務先の工場の友人らと平和に暮らしていた。

しかし、セルマには彼女と友人キャシーしか知らないある秘密があった。それは視力が徐々に悪くなっていくという先天性の病気があったこと。

さらにその病気は遺伝性であることを知っていたセルマは、ひそかに息子ジーンのための手術費をためていた。13歳になれば手術を受けることができ、早期に手術することで治すことができるからだ。

内職に加えて夜勤にも入ることでさらにお金を貯めようとするセルマだが、視力の悪化と疲れによりミスをしてしまい工場をクビに。

また家を貸してくれている親切な警察官であるビルにお金の場所を知られてしまい、貯めいていた手術費をすべて奪われてしまう。

ビルからお金を取り戻そうとするセルマだが、ビルは妻に「セルマに金を奪われる!」と叫び、もみ合っている最中に拳銃が暴発してしまう。

それでもお金を放さないビル。セルマは金を取り戻すために泣きながらビルを殺害し、手術費を病院に預けるため逃走する。

その後、人生の生きがいでもあり通い続けていたタップダンスの稽古に訪れたところで逮捕されてしまう。

ジーンが病のことを知ると、その動揺から病が進んでしまい治らなくなってしまう。そのことだけをなによりも恐れたセルマは法廷でもお金を何に使う予定だったのかは明かさず。結果、死刑判決を受ける。

そして迎えた死刑の日。恐怖で足がすくむセルマを支えたのはやはり音楽。空想でのミュージカルにひたりつつ何とか死刑台にたどり着いたセルマだが、死がもう間近に迫っていることを認識し錯乱状態に。

そのとき、キャシーが周囲の制止をふりきってセルマにジーンのメガネを手渡す。ジーンは無事手術をおえ、メガネがいらなくなったのだ。

セルマは落ち着きをとりもどし、ゆっくりと歌を歌い始める。が、その歌の途中で刑が執行され、静寂だけがのこる

ざっと書くとこんな感じになります。

悪いことをしているわけじゃないのに、悪い方向へと進んでいくストーリー、そして最後の死刑執行シーンが非常に印象にのこり、鬱映画と呼ばれるのもうなずけます。

またミュージカルシーンはほぼ全てがセルマの妄想。辛い現実から逃れるようなミュージカルのみせかたにより、余計に辛さを感じます。

しかし同時に、セルマがもつただひたすらな愛を描いてる映画だとも思います。このあたりは感想で詳しく書きますが、だからこそ観てほしい、おすすめの作品です!

ちなみに主演をつとめたビョークはカンヌ映画祭で主演女優賞を獲得しましたが、歌手ゆえのミュージカルシーンふくめ、ビルを殺害するシーンや死刑台で恐怖に取り乱してしまうシーンなどを見事に演じてます。

そしてセルマのことが好きな同僚ジェフとのデュエットというかたちで歌われた『I’ve seen it all』はアカデミー賞歌曲部門にノミネートされるなど、音楽面でも高い評価を受けてるんですね~

『ダンサーインザダーク』感想

ミュージカルと知らないで観たので、急にダンスが始ったときは焦りました笑

しかも決して明るくはないような感覚なんですね、個人的には。もちろんセルマの妄想の中で広げられているので現実から目を背けるようなミュージカルになってはいるんですが、どこか不吉さというか暗さがぬぐえないような音楽、歌詞になってます。

救いようがないストーリーと紹介されることも多い本作ですが、僕はそうは感じませんでした。セルマが自分の命よりも願っていた息子の幸せ。それが最後に実現したことを、セルマは知ってから死んでいくのです。

彼女にとってはこれ以上なく安心した状態で死刑を受け入れたんじゃと思います。

自身が病気を体験して生きてきて、いかに大変か、いかに辛いかが一番よく分かっているセルマ。その病気が遺伝すると知っていて、ジーンを産んだ。そのことにセルマは責任を感じていたのでしょう。

「ジーンに必要なのは母親じゃなくて目なのよ」と言うくらいに。ジーンのことしか考えていない、自分のことすら考えていない、それこそ盲目的な愛があったわけです。その気持ちがこれほど感じることができるような映画はあまりないと思います。

開き直るかのようなミュージカルによって彼女の内面を表現しているため、より彼女の置かれている状況の辛さ、どうしようもなさが伝わってきます。死刑が迫るときの恐怖も。

だからこそ、そんな状況のなかでもジーンを思い続けるセルマの愛が印象に残るわけです。

最初の裁判のシーンで全部証言すればいいのに、って僕は観ながら思いました。けど、そうしなかった理由はジーンに目の病気のことを知らせなくなかったから。それも、もし知ってしまうと症状が悪化して治せなくなってしまうかもしれない、という理由から。

ほんとうにひたすらジーンのことを考えて、黙ることを選んだんですね。

かつ、セルマ自身も死刑に対しては大きく恐怖を抱いていることも描写されています。その恐怖を感じつつも息子のために、再審も蹴って死刑を受け入れるという…

もちろんストーリー自体はかなり暗いです。でも、この『ダンサーインザダーク』でみえてくるのは息子を愛するある母親の強さ。ぜひそれを感じてもらえたらと思います!

いじょうそらまめでした~

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